編集後記 「うかたま」春号(78号)

▼忙しい毎日、止まらない物価高、いかに家事時間を短縮し、節約して乗り切るか、みんなが一丸となってアイデアを出す時代に、時間とガス代を浪費してあんこを炊けとは、なんという特集でしょう。小豆は他の豆と違い、浸水せずにいきなりゆでていいけれど、びっくり水とか渋きりとかを省いていい方法もあるけれど、どうしたって缶詰を買うより手間はかかる。でも自分で炊くと、おいしいんです。柏木菊江さん(p20)は、あんこ炊きのコツは「丁寧に根気よく」といいます。私のめったに発動しない「丁寧」は、あんこのために使おう。時短にも節約にもならなくても、おいしいものを自分の手でつくる満足感を、みなさんと分かち合いたいです。(編集長 中村)

▼松原あんこ大学(p52)のみなさんの飽くなき探求心に感激です。ほんとにおいしいの?と半信半疑だったあんこ料理はどれも意外といける…いや、おいしい! あんこに合う組み合わせを考えるのが楽
しくなり、七味を混ぜたあんこをうどんにのせたりして、300gのあんこを一人で使い切りました。
鈴木健二さんといるとすべての草編集後記がかわいく見えるから不思議(p62)。そして、摘み草をそのまま食べる体験はワイルドで、それだけで元気になるのだなと実感しました。「私、そのへんの草食べちゃってるよ!」と思うと、なぜか面白くなってきて、鈴木さんと草仲間のみなさんとパン屋の庭で大笑いしました。今では野原を眺めるとお腹がすいてきます。(編集部 吉村)

▼昨年末、会社での餅つきの際、p49でご登場の芝崎本実先生の本を参考にあんこを煮てみました。水さらしは初めてでしたが、意外と簡単。これで渋きりが省略できるそう。水さらし、ありです。味?じっくり味わう前に、餅にからめられてあっという間になくなりました…。その後、先生にお話をうかがいに行きましたが、先生のすさまじいあんこ愛にあてられました。次に和菓子を食べる時は、先生に倣い、あんこを光に透かしてでんぷんの粒子を見極めたいと思います。(編集部 中田)

読者からのおたより(p107)に、前号の「食べるんだから知っときたい」をもっと多くの人に読んでほしいとありました。こちらは今、うかたまのHPで公開中です。

食べるんだから知っときたい
「食べるんだから知っときたい」の記事一覧です。