天然サイダーをつくろう(基礎編) 松葉サイダー|編集部ラボ

編集部が食にまつわるアレコレを実験して検証する「編集部ラボ」。
今回は、身近な植物や食材を使って“天然酵母のサイダー”がつくれるか、挑戦します!

写真=依田賢吾 まとめ=編集部

「うかたま」66号(2022年春号)掲載

酵母の力で発泡させる

 「サイダー」の語源は、英語のciderです。ciderは生しぼりのりんごジュースのことで、これを発酵させたリンゴ酒をhard cider(ハードサイダー)と呼びます。りんごの皮についた酵母により糖が分解されて、アルコールに変化していくときに二酸化炭素を出すため、発酵の初期にシュワシュワの泡が発生します。

 これに対し日本の「サイダー」は、果汁や発酵とは関係ありません。単にシュワシュワした、炭酸飲料のことを指します。ただ日本でも昔から、松葉を砂糖水に浸けて発酵させて松葉酒をつくる際、発酵初期のシュワシュワしたものを「松葉サイダー」として楽しむ人がいました。りんごや松葉から発酵の力でサイダーができるのは楽しそうです。でも果たしてその「サイダー」は、シュワシュワでパンチのきいた、あの市販のサイダーのようになるのでしょうか? 実験してみました。

〈材料〉 500ml分

松の葉…60g
砂糖…55g
水…500ml

〈道具〉 


ボウル
木べら
500mlの炭酸飲料用ペットボトル

〈つくり方〉

  1. 材料を洗う
    松葉の葉を枝からはずし、表面のほこりや汚れがとれるように、3~4回すすぎ洗いする。
  2. 砂糖水をつくる
    水を沸騰させて砂糖を入れる。すべて溶けたら火を止め、人肌まで冷ます。
  3. 仕込む
    松の葉をペットボトルの六~七分目までつめて、砂糖水を八分目まで注ぐ。
  4. 発酵させる
    蓋をして、20°C前後の日の当たらない室内に2~3日ほどおく。蓋をゆるめたとき、シュっとガスが抜けると飲み頃。

実験結果

蓋をゆるめると小さな泡がぶわっと出るのはまさにサイダー!
ただ、飲んでみるとほんの少し炭酸を感じる程度だった。でも松のさわやかな風味があり、これはこれでおいしい。


次回の編集部ラボは、色んな野菜やフルーツでサイダーをつくります。

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