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vol.1 表紙 2006 vol.1 冬

『現代農業』1月増刊
2005年12月5日発売
定価802円(税込)

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もちは四角? それとも丸?
焼いてから煮る? 煮て柔らかくしてから食べる?
毎日食べるものではないけれど、つくり方に味付け、加える具、こんなに家ごとの好み、地域性が見えてくるものもめずらしい。
日本全国津々浦々、「わが家の雑煮」をご紹介します。

写真・協力=NPO法人アグリコ

1.東日本
2.西日本
3.番外編:地元のならでは雑煮

東日本

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角餅・煮る 雑煮ph

北海道芽室町 鈴木さんち

19年前に嫁いで初めてのお正月を迎えたとき、うちの雑煮は大根とにんじんだけだよと言われ、ちょっと驚きました。今ではうちの雑煮が大好きです。

角餅・煮る 雑煮ph

北海道夕張郡由仁町 北井さんち

母がつくってくれていたものを真似してみました。具は毎回かわります。今回の具は、わが家でとれた生しいたけとねぎ。シンプルなお雑煮です。

ちぎり餅・煮る 雑煮ph

山形県天童市 押野さんち

もちは、ばあちゃんの担当分野で、指導のもとお手伝い。具はごぼう、にんじん、鶏肉、こんにゃく、三ツ葉。つきたてのもちをちぎって入れます。

角餅・焼く 雑煮ph

群馬県吾妻郡嬬恋村 森さんち

具はにんじん、エノキ、鶏肉、ねぎ、なると、ゆずや三ツ葉。実家では三が日はうどんで、お嫁に来るまで元旦にお雑煮を食べるとは知らなかった…。

角餅・焼く 雑煮ph

群馬県富岡市 吉田さんち

もちを焼くようになったのは、祖母が亡くなってから。それまでは煮込んでドロドロにしていたのを母の実家のやり方に。青みに空心菜を使ってみました。

角餅・焼く 雑煮ph

千葉県夷隅郡御宿町 大地さんち

元日の朝、女性陣はゆっくりとして、雑煮は男性陣がつくるのが習わし。もちは当然のごとく炭で焼き、汁をかけてからもみほぐした青のりをかけます。

角餅・焼く 雑煮ph

埼玉県岩槻市 関根さんち

正月4日から7日までの朝食に。現在は7人家族でもち15個を食べますが、義母の時は11人で45個のもちを大鍋に入れ、かまどでつくったそうです。

丸餅・焼く 雑煮ph

東京都三宅島・八丈島 西野さんち

夫婦とも I ターンなので、地元の方に昔ながらのつくり方を聞き再現してみました。本来は丸もち・カキ菜のところを角もち・小松菜で代用しました。

角餅・焼く 雑煮ph

長野県上高井郡高山村 黒岩さんち

鶏肉、にんじん、白菜、かまぼこ、ねぎなど、具が盛りだくさん。大晦日のすき焼きの残りの具でつくります。もちろん、おもちは杵つきの四角です。

角餅・焼く 雑煮ph

長野県長野市 野池さんち

正月三が日は毎朝、お雑煮を食べます。具はこれといって決まったものはなく、その日あるもので。今回はゆでたほうれん草、エノキ、かまぼこでした。

角餅・煮る 雑煮ph

静岡県静岡市 白鳥さんち

静岡市の雑煮はかつお節と青のりを最後にかけるのが特徴です。ちなみにおでんにも。かつお節でとった出汁で里芋、大根を煮て、ゆでた青菜を添えます。

角餅・煮る 雑煮ph

愛知県田原市 田中さんち

わが家は2代前までイワシで生計を立てていた半農半漁。出汁は煮干と決まっていました。油揚げ、白菜(秋のお祭りの時は大根の抜き菜)を入れます。

西日本

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角餅・煮る 雑煮ph

富山県小矢部市 小倉さんち

近くから嫁に来ているので、何のためらいもなくつくり、何のためらいもなく受け入れられました。もちの表面が少し溶け出したころが、美味しいんです。

丸餅・焼く 雑煮ph

石川県羽咋郡宝達志水町 中西さんち

おもちは一緒に煮ると溶けるので、先に焼いておきます。味噌汁の中にもちが入っているような感じです。具は、その時家にあるものを、臨機応変に。

丸餅・煮る 雑煮ph

福井県今立郡池田町 長尾さんち

自家製の田舎味噌に、わが家でとれたもち米をついた丸もちを煮て、削りかつおを入れたシンプルなもの。美味しさにどうしても笑顔が多くなります。

角餅・煮る 雑煮ph

三重県鈴鹿市 森田さんち

かつお出汁をしょうゆで味付けした汁でもちを煮て、もち菜(小松菜)を入れます。実家とほとんど同じでシンプルな雑煮だったので、助かりました。

丸餅・煮る 雑煮ph

和歌山県海南市 鈴木さんち

毎年食べていたはずなのに、具の切り方など決まりがあることを母から教わりながらつくりました。白味噌仕立てで豆腐やにんじん、里芋などを入れます。

丸餅・煮る 雑煮ph

滋賀県滋賀郡志賀町 中村さんち

おばあちゃんがこのためにつくる聖護院大根、金時にんじんを柔らかく煮て、家で仕込んだ甘味噌(白味噌)で味を調える。おもちは小ぶりの丸もち。

丸餅・煮る 雑煮ph

岡山県真備町 井上さんち

野菜はすべて母が育ててくれた自家製。嫁の私はとりに行くだけ。中でもごぼうはよく煮えて柔らかく、風味が格別。わが家のお雑煮には欠かせない。

丸餅・煮る 雑煮ph

福岡八女郡矢部村 原島さんち

具は昆布とするめと里芋。隠し味に砂糖を入れます。実家の具沢山なものと違って、初めて食べたシンプルでわずかに甘い雑煮にビックリしました。

角餅・煮る 雑煮ph

佐賀県藤津郡太良町 澤山さんち

欠かせないのは有明海のカキ。白菜、青菜も入れます。嫁ぎ先が海に近いせいでしょうか、実家は同じ町のひと山越えたところなのに、カキを入れません。

丸餅・焼く 雑煮ph

宮崎県宮崎市 串間さんち

鶏肉で出汁をとり、干ししいたけの戻し汁などで味を調えます。焼いたもちに出汁をそそぎ、かまぼこと三ツ葉を飾ります。嫁の実家のつくり方です。

角餅・煮る 雑煮ph

鹿児島県頴娃町 山脇さんち

ばあちゃんの方言がわからず、でもそうと言えず。「えー、そうな。はーい」と生返事していたら、同じ材料でまったく違った料理が2品。思わず苦笑い。

丸餅・煮る 雑煮ph

香川県高松町 小倉さんち

あん餅雑煮は東讃出身の父が食べます。白味噌の甘さと青のりの香りとの相性がよく、意外とおいしいものです。本来は金時にんじんを使います。

番外編:地元のならでは雑煮

地元の食材を使ったその土地「ならでは」の雑煮。
昭和の初めころの食生活を再現した『日本の食生活全集』(全50巻、農文協刊)から探してみました。

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角餅・焼く 雑煮ph

岩手県宮古市 鮭のハラコにクルミだれ

少し贅沢するときはかまぼこや鮭のハラコを入れ、飽きたらもちにクルミだれをつけて。おいしさを表現するのに「クルミ味がする」というくらいなので。

角餅・焼く 雑煮ph

宮城県一帯 出汁も具もハゼ

宮城の雑煮は出汁がきいて具だくさん。焼き干しにしたハゼ、豆腐やせん切り野菜をたっぷりと。ハゼのほかに、アワビ、アユ、ヤマドリを使うところも。

角餅・煮る 雑煮ph

新潟県山古志村(現長岡市) 正月は雑煮のこ

大根、里芋、豆腐に、暮れにたくさんついたもちを入れて。7日の七草雑煮には、正月の残り物のぜんまいなどを使って、もち雑炊を。

丸餅・煮る 雑煮ph

兵庫県千種町(現宍栗市) 三が日は日替わりで

元日はするめ、ハマグリ、皮クジラや野菜を入れたすまし汁仕立て(左下)。2日は焼いたもちで焼き雑煮(右)、3日は小豆をのせたぜんざい(左上)。

丸餅・煮る 雑煮ph

島根県五箇村(現隠岐の島町) もみのりに黒豆のせ

元日の朝早く、家の主人が氏神様でくんだ若水で雑煮を炊く。干アジとしいたけで出汁をとったすまし汁をたっぷりかけ、もみのりと黒豆をのせる。

  雑煮ph

徳島県東祖谷山村 豆腐二丁にまいも(里芋)で祝う

もちの代用に豆腐を使う。煮しめたまいも、長方形に切って煮しめた大きな豆腐を十文字にかけ、おわんに入れる。じゃこ出汁のすまし汁をかけて。