すぐり、木いちご、ブルーベリー…
甘酸っぱい生のベリーは初夏限定の味。
青森県津軽地方の真ん中、りんご畑が広がる岩木山の麓には
この時期、食べ頃のベリーが色づいているそう。
果樹園にたわわに実っているベリーを摘みに、初夏の弘前・岩木山を訪ねてみました。
写真=富井昌弘 文=編集部
ほんのりあたたかい摘みたてのベリー
一面、緑の広がる「森の中の果樹園」。園内にはなんと20種以上の果樹があり、好きな果物の木の下で、その実を摘んで好きなだけ食べられる。キャッチフレーズどおり、まさに「屋根のない果物屋さん」。
季節ごとになっている果物は違い、この時期はベリーが真っ盛り。梢の先には、赤や濃紫のプチプチした実がたわわになり、今にもはじけそう。ベリーだけでも10種類。この小さなベリーを一つひとつ丁寧にもいで、さっき買った根曲竹の手籠に入れていく。
ベリーでつくるお菓子とごはん
次に向かったのは農家レストラン&民宿の「ル・カルフール」。りんご農家の田村義夫さんと奥さんのえり子さんの二人で経営している。ここで、摘みたてのベリーを使った料理を教えてもらうのだ。
「ベリーにもそれぞれ個性があるから、それにあった料理があるんだ」と義夫さん。教えていただいた料理はクレープシュゼット、クラフティ、アイスクリームなどのスイーツから、パンやリゾットまで。ラズベリーやブラックベリーのプチプチ感が楽しいベリーベリーパン。リゾットもベリーの甘酸っぱさ、粉チーズのしょっぱさ、米のぱらっとした食感が組み合わさって思いがけないおいしさ。食べごろのベリーはペクチンや酸のバランスがよく、火を通すととろみが出て、生とは違った味が楽しめる。山になっている木いちごや畑のクワの実、秋に熟すナツハゼの実でもできるそう。帰ったらさっそく試してみなくちゃ。
たっぷりのベリーが贅沢な甘酸っぱいパン
ベリーの酸っぱさとチーズが不思議によく合う