みんなの発酵定食

暮らしの中で育てている発酵食とそれらをおいしくいただく組み合わせ。
発酵を楽しむ達人たちが、紹介してくれました。

写真=野口修二 まとめ=編集部

青山有紀さん 漬物ひとつで料理が深みのある味わいに

 「ちゃんと発酵させた本物の漬物は、味に奥行きがあります。だから料理にちょっと入れるだけでも全体の味が決まるし、他の調味料はごくシンプルでいい」と青山有紀さん。本物の漬物とは、市販品にありがちな調味液に浸すものではなく、素材の旬に仕込み、時間とともに発酵が進む漬物。「こういう漬物だと古漬けにしてもおいしい。例えば酸っぱくなったキムチは炒め物や煮物にすごく向いている。無駄なく食べ切る方法や薬味代わりに使うお料理が韓国にはたくさんあります」。京都のおばんざいにも、たくあんの古漬けを煮付ける「ぜいたく煮」という料理がある。「漬物をつくって食べることは、昔ながらの食べる知恵を受け継ぐことにつながっている気がします」。

枝元なほみさん 「プチプチ」って音から“生きもの”を感じる

 「台所で何かを発酵させているときって、生きものと暮らしている気分」と枝元なほみさん。発酵食に目覚めたのは米とこうじで発酵ドリンクをつくったことがきっかけ。「仕込んだ次の日からぶくぶく泡が出てきたり、プチプチって音がしたり。何かが生きてる!?って、ずうっと耳を傾けていました」。思ったより簡単にできて、しかも完成品は友達への手土産にして大喜びされた。それがうれしくて、いろいろな発酵食に挑戦するようになったそう。
 「といっても自分がつくり出すわけじゃない。私は材料をそろえたり、漬け床に野菜をつっこむだけ。あとは菌におまかせ。だからいつも、おかげさまって思う」

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