お気に入りのこけしを探しに行こう。
ちょっと疲れたら温泉でひと休みして。
町の中を歩いていると、おむすび、ミズの浅漬け、炊きたてのササニシキ、
おいしいものにも出会いました。
写真=富井昌弘 文=編集部
東北新幹線・古川駅からローカル線に乗って45分、鳴子温泉駅に到着する。駅に降り立つと漂っているのは硫黄のにおい。鳴子温泉は宮城と山形の県境に位置する山間の温泉場で開湯1200年の歴史を持つ。泉質の種類の多さと効能には定評があり、昔から湯治客も多い。
立ち寄った駅の案内所で出会ったのは、こけしの車掌さん。こけしは、器などをつくる木地職人の副業として、温泉場のお土産にとつくられたのが始まりといわれ、温泉とは縁が深い。改めて駅周辺を見ると、看板に電話ボックスの上にとあちらこちらにこけしを発見!
興味をひかれて「日本こけし館」を訪ねてみた。ここは東北をはじめ日本各地のこけしが4000本展示されて、なかなか壮観。木をろくろで削って絵付けする。それだけなのにみんな個性がある。見ているうちに何だか手元におきたくなって、蒐集する人の気持ちがわかってきた。
「工人さんも夫婦げんかした日は絵付けができないんですよ。こけしの顔に表れるから」と教えてくれたのはこけし館の高橋ゆきえさん。工人とはこけしの職人のこと。ろくろを回すのは機械だが、ほかは手作業。つくる人ごと、その日の調子によっても、こけしの顔は微妙に違うのだ。
しそ巻、梅肉を挟んだ笹かま、温泉卵、鮭、梅干し、くるみ豆腐、漬物と朝からご飯がすすむ
おむすびの種類は、季節ごとに変わる。麹南蛮に味噌漬け、しそ巻きなど、鳴子の郷土の味がつまっている